「P夫妻の密かな愉しみ」

銃要虎

「呼び出したのは他でもないわ。先日のボヤの犯人はあなただったのね。目撃者がい
るのよ。」
教頭先生は言い放ちました。
そうなのです。心当たりはありました。あの日、畑の納屋裏で煙草を吹かしていたの
です。それが日課でした。家でも学校でも良い子ちゃんを演じ続ける代償のようなも
のでした。放課後の帰り道に人目をはばかって煙草の一本や二本吸うぐらい、ほんと
に他愛のないことでした。でも後で納屋が火事になったと聞いて恐ろしくなりまし
た。私のせいかも知れない、いやそうに違いないと。でも黙っていれば誰にもバレる
ことはないさ…。
「うちのような伝統ある女子校の生徒が、帰り道に煙草を吸うだけでも恥ずかしいこ
とです。おまけに小火を起こして…。放火がどんな重罪だご存知の筈よね。」
「そ、そんな!放火だなんて!そんなつもりはなかったんです!許して下さい!」
「学校側としては問題になるのは好ましくはありませんけれど、あなたを退学処分に
して警察に突き出してもよいのですよ。…しかし、それではあまりにも忍びない…。」
「……。」
「それにやっかいな事情がありましてね。あなたが燃やした土地はこの一帯を取り仕
切る資産地主のP氏のものなのです。P氏ご夫妻はそれはもう大変に御立腹で、うち
に電話をしてこられました。やっかいな事です。あのP家に睨まれたら、あなたのお
父さんもこの辺では生活が出来なくなるでしょうしねえ。」
「あわわ・・あの、教頭先生!どうしたらいいのですか?何でも言って下さい。」
「P氏ご夫妻はあなたの悲鳴と、心からの涙を御所望です。」
「ええ!?」
「今、P氏ご夫妻はこちらにいらしておいでです。さあどうぞ。こちらがその犯人の
生徒です。」
奥から険しい表情の初老の夫婦が出てきました。
「ほう、可愛い娘じゃないか。こんな子があんな非行をする御時世になったのかい?
おたくの学校も質が落ちたものだな。こんな学校にいくらも寄付金をやれんかもの
う。」
「ハッ、申し訳ございません。恥ずかしい限りです。どうぞそちらのお席に御座り下
さい。これからたっぷりとこの悪い生徒を懲らしめますので、非行生徒に当校がどの
ように対処するかをどうかゆっくりとご覧になって下さい。」
二人はもったいぶりながら席につきました。怒っている振りはしていますが、そこに
漂うのはどう見ても好奇の目でした。難癖をつけて禁断の女子校の体罰とやらを見て
みたいという雰囲気がありありでした。
「先生、本当にこの人たちの見ている前で体罰を?」
「この街で生きていきたいんだったら、素直に振る舞った方が身の為よ。それとも人
生を台無しにしたいの?」
「い。いえ、そんな。」
先生は耳元で囁きました。
「あのエロ夫妻はたまに難癖をつけては、少女が責められる姿を楽しみに見に来るの
よ。でも誰も逆らうことは出来ないの。まあ彼らの膝にすがりついて、思いっきり可
愛い声で慈悲を乞うてでもしてみなさいな。とにかくあの二人を満足させるまでは永
久に罰は終らないのよ。」
「…はい。判りました。」
私はよろよろと夫妻の元へ行くと、膝を屈して哀れっぽく言いました。
「ああ、どうかお許し下さい。煙草を吸ったのはほんの出来心だったのですう。納屋
に放火をしようなんてことは、これっぽっちも思っていなかったんですう。反省して
いますう。」
夫の方の気持ちはぐら付きそうでした。しかし妻の方は冷ややかに言いました。
「腹立だしい娘っ子だねえ。あーいやだいやだ。そんな媚びを売るような声音、どこ
で覚えてきたのかしら?いやらしいわあ。こんなふしだらな娘にはどれほどの鞭が必
要が、教頭さん。よく判っていますよね?」
「ああ!!そんなあ!」
「ええ、判っていますとも。近頃の少女たちは本当に乱れていますわ。こんなふざけ
た生徒は、骨の髄から厳しく躾しなおさなければなりませんね。さあ、来なさい。ス
カートを脱いだら、この椅子の背に腹ばいになりなさい。そうそう、良い子ね。
じゃ、パンティーを降ろして、それから、もっとお尻を突出して!脚はしっかりと閉
じ合わせてピンと伸ばすのよ。いいわね、椅子の端をしっかりと掴んでおきなさい。
もし許可なく手を離しでもしたら、明日も同じ目に合うと思いなさい。(あと…言っ
ておくけど、手加減は出来ないからね。私もP家には逆らうつもりはないの。まあせ
いぜい可愛い声で鳴くことね。)」
「ちょっと!教頭さん。待ちなさい。また来客用のスリッパなんかで打つんですか?
そんな甘いことはいいかげん止めて欲しいですわ。前にパドルを買うよう言っておい
た筈よ。」
「はい。購入はしたのですが、まだ慣れていないもので…。」
「構わないわ。放火犯になどに情けをかけることはありません。パドルを使いなさ
い。」
「はい。判りました。」
「それで、そうですね。まずはパドルで100打ほど叩き込んで、下地を作りなさ
い。」
「100発もですか?学則では40発までなのですが…。」
「それがなにか?」
「い、いえ。では。」
ひゅん。バシッ!!
「ひっ!!」
「駄目です!もっと強く!!」
ひゅん。バシイイン!!
「ひいい!」
「ダメダメ、もっと強く!!」
ヒュン……・・。
……・・。
「出来ました。万遍なく腫上がりました。ちょっと触れただけで飛び上がるほど痛い
ことでしょう。」
「ご苦労。下地はそれでよさそうね。悲鳴はたっぷりと聴かせてもらいましたが、心
からの涙はまだですね。先はまだまだ長くなりそうですわ。」
「いやあ、もう反省しましたあ!心から泣いていまあす!」
「そんなモノを言う余裕があるようなのは、懲りてない証拠です。教頭さん。どうせ
買ってないだろうから、こちらで用意しておきました。この娘の悪いお尻にはこれで
仕上げをしてやりなさい。」
「!…はい。判りました。」
P婦人の手に握られていたものは、

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