盛況のうちに終了いたしました。 |
このたび風俗資料館では「小妻容子責め絵展」を開催することとなりました。小妻氏は本業の日本画家として別画号で活躍される傍ら、1970年代初頭より(*)数々のSM雑誌の表紙や口絵、そして小説挿絵を描き続け、今なお多くのファンを魅了しつづける稀代の責め絵師です。 小妻氏のライフワークでもある刺青緊縛画は、日本画の大御所ならではの圧倒的な画力で、責められる女の美しさ、内側からにじみでる官能そのものが描きつくされます。小妻氏が思い描く秘めやかな幻想は、凄惨な責め場を描きながらも、独特の気品あるエロティシズムをたたえ、見る者の脳髄を直接揺さぶるような衝撃を与えます。「小説SMセレクト」「SMキング」「別冊SMファン」「SMクラブ」の美しい表紙画、初期に描かれた豊満女性や妊婦の緊縛図絵、妖しい幻想画や、細密な点描画。小妻氏とともにこの世界の歴史を歩まれたファンの皆様は、一体どのような作品を思い浮かべるでしょうか。 今はなき昭和のSM雑誌には、甘い悪夢のような、ほの暗い何ともいえぬムードがありました。幻想空想妄想に満ちたロマンがありました。多くの巨匠・名絵師が活躍した華々しいSM黄金期にあって、独自の美意識を貫き、一流画家としての地位を不動のものとした小妻容子。本展では、その妖しくも美しい魅惑の世界をご堪能いただきます。 ――(*)小妻氏のSM雑誌への初「投稿」作品は奇譚クラブ1965年9月号に掲載された「黒いコートの記憶から」となります。その後も奇譚クラブ誌上で断続的に作品を発表され、その若々しい作品群は後の活躍を彷彿とさせる一際の異彩を放ち、人々に衝撃を与えました。
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私が初めて小妻氏の責め絵に出会ったのは風俗資料館の蔵書の中でした。リアルタイムでは「奇譚クラブ」はおろか「SMセレクト」や「SMファン」も読むことのできなかった私は、毎日夢中になって古いSM雑誌を読みました。一冊一冊の雑誌をひもとく幸福な時間の中で出会った小妻氏の作品は、どの時代の作品も、絵だからこそ表現できる情感に満ちて、私の心の深く柔らかいところに、ゆっくりと沁みこんでゆくようでした。 ★期日中は会員以外の方でもご来館いただけます。ちょっとだけ中を見てみたい、という方も歓迎いたします。この機会に是非足をお運びください。ただし書架の前にずらりと作品が並びますので、展示されている本以外の閲覧はできません。 |
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