風俗資料館
  小妻容子責め絵展
盛況のうちに終了いたしました。
わずか一週間の開催でしたが、200名近い来場者がありました。
ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

     小妻容子責め絵展:SM秘小説1989年3月号初出口絵作品   「小妻容子責め絵展」

      期 日 2007年11月2日(金)〜11月7日(水)
          期間中は日曜日も開館いたします。
      時 間 12:00〜22:00
      入場料 500円
      場 所 風俗資料館
          Tel:03-5261-9557
          E-mail:pl-fs@kagoya.net

      主催 風俗資料館/協賛 画廊あわび堂
      期間中の図書館運営について→★


    このたび風俗資料館では「小妻容子責め絵展」を開催することとなりました。小妻氏は本業の日本画家として別画号で活躍される傍ら、1970年代初頭より(*)数々のSM雑誌の表紙や口絵、そして小説挿絵を描き続け、今なお多くのファンを魅了しつづける稀代の責め絵師です。
    小妻氏のライフワークでもある刺青緊縛画は、日本画の大御所ならではの圧倒的な画力で、責められる女の美しさ、内側からにじみでる官能そのものが描きつくされます。小妻氏が思い描く秘めやかな幻想は、凄惨な責め場を描きながらも、独特の気品あるエロティシズムをたたえ、見る者の脳髄を直接揺さぶるような衝撃を与えます。「小説SMセレクト」「SMキング」「別冊SMファン」「SMクラブ」の美しい表紙画、初期に描かれた豊満女性や妊婦の緊縛図絵、妖しい幻想画や、細密な点描画。小妻氏とともにこの世界の歴史を歩まれたファンの皆様は、一体どのような作品を思い浮かべるでしょうか。
    今はなき昭和のSM雑誌には、甘い悪夢のような、ほの暗い何ともいえぬムードがありました。幻想空想妄想に満ちたロマンがありました。多くの巨匠・名絵師が活躍した華々しいSM黄金期にあって、独自の美意識を貫き、一流画家としての地位を不動のものとした小妻容子。本展では、その妖しくも美しい魅惑の世界をご堪能いただきます。
    ――(*)小妻氏のSM雑誌への初「投稿」作品は奇譚クラブ1965年9月号に掲載された「黒いコートの記憶から」となります。その後も奇譚クラブ誌上で断続的に作品を発表され、その若々しい作品群は後の活躍を彷彿とさせる一際の異彩を放ち、人々に衝撃を与えました。

    小妻容子責め絵展_SMセレクト1978年8月号初出扉絵作品 小妻容子責め絵展_SMセレクト1977年7月号初出扉絵作品 小妻容子責め絵展_SMセレクト1977年5月号初出扉絵作品

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    私が初めて小妻氏の責め絵に出会ったのは風俗資料館の蔵書の中でした。リアルタイムでは「奇譚クラブ」はおろか「SMセレクト」や「SMファン」も読むことのできなかった私は、毎日夢中になって古いSM雑誌を読みました。一冊一冊の雑誌をひもとく幸福な時間の中で出会った小妻氏の作品は、どの時代の作品も、絵だからこそ表現できる情感に満ちて、私の心の深く柔らかいところに、ゆっくりと沁みこんでゆくようでした。
    1970年代初めに発表された残酷な抒情詩のような幻想画。愛くるしい子どもが無邪気に笑いながら女性を責めるSMセレクトの扉絵作品。一枚の絵からドラマチックな展開を想像させる数々の口絵作品。佐渡好夫(砂戸増造)氏の翻訳鞭打ち小説に更なる深みを与え、鮮烈な印象を残した美しい点描挿絵・・・心の目にうつる「美しさ」を純粋に追求した作品は、見る者の妄想とシンクロし、豊かなイマジネーションの世界に引きずり込み、深い感動を与えます。小妻氏の作品世界は、私達にとってかけがえのない宝物です。
    日本画家として毎年展覧会を開かれている小妻氏ですが、これまで一度も責め絵を展示されたことはありません。秘画として大切に守られてきた責め絵の数々。本展は「小妻容子」の責め絵のみを一堂に会した初めての展覧会となります。
    古くからのファンやマニアの皆様に心から喜んでいただけるような、たんなる画廊ではない風俗資料館だからこそ実現できる、SM雑誌の歴史を俯瞰する展覧会になるかと思います。
    展示作品は「SM秘小説」に発表された刺青緊縛画を筆頭に、70年代初頭の幻想画、「SMセレクト」の扉絵、「別冊SMファン」の表紙画、繊細華麗な点描挿絵など、ファンお一人お一人にとって忘れられない思い出の作品が結集いたします。画廊あわび堂の協力も得て、展示作品の中には購入可能な作品もご用意いたします。
    原画のもつ迫力、そして、SM黄金期の中でひたすらに責め絵を描き続けた一人の画家の秘めやかな歴史に、是非触れていただきたいと思います。

    ★期日中は会員以外の方でもご来館いただけます。ちょっとだけ中を見てみたい、という方も歓迎いたします。この機会に是非足をお運びください。ただし書架の前にずらりと作品が並びますので、展示されている本以外の閲覧はできません。


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