盛況のうちに終了いたしました。わずか六日間の開催でしたが、300名近い来場者がありました。 ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。 |
孤高の幻想画家・秋吉巒(1922-1981)。 風俗資料館では秋吉家から寄贈された五百点ちかい膨大な量の原画を所蔵しています。このたびアトリエサードから発行される『秋吉巒・四条綾 エロスと幻想のユートピア〜風俗資料館秘蔵画選集1』の発売にあわせ、これまで未公開だった秋吉巒の原画を館内にて展示いたします。 アブノーマル世界にひそむ混沌とした空想・妄想・幻想のユートピア……約三年ぶりになる会員以外の方にもご鑑賞いただける今回の展示では、見る者の感性の奥底を刺激し豊かなイマジネーションをかきたてる作品群が館内を埋め尽くします。 ■風俗資料館と青木画廊で《知られざる秋吉巒の世界》同時開催!―― 澁澤龍彦が「ぬけぬけと自分の夢に溺れることができた画家」と記し、ほぼ無名のうちに逝去した画家・秋吉巒。永眠した翌年(1982年)に青木画廊で遺作展が開かれ、そのエロスと幻想に彩られた絢爛なイメージの世界は、多くの人々に衝撃を与えました。 しかし、秋吉巒にはもうひとつの顔がありました。1950年ごろより長年にわたって、風俗誌の表紙や挿絵を描き続けていたのです。大衆によって消費されていく風俗誌ですが、そこに描かれた作品はしかし、余技として軽視されるようなものでは決してなく、幻想画と同等の深い世界観をたたえ、雑誌にある種の品格を与えていました。 ですが、読み捨てられてしまう風俗誌ゆえ、そうした雑誌での仕事は長らく省みられることがありませんでした。そこで、そうした風俗誌掲載の作品に焦点を当てた画集が出版されるのを機に、秋吉巒という画家のもうひとつの側面を照射する展覧会を、都内二箇所で同時開催いたします。 幻想画の聖地である銀座・青木画廊では、秋吉家秘蔵の未発表作品(油彩・グァッシュ・鉛筆画)約20点を。日本で唯一のSM・フェティシズム専門図書館である風俗資料館では、雑誌の挿絵をメインに画集未収録作品を含めたおよそ70点の作品を展示いたします。 展示作品は、初めて公開される作品ばかりで、たいへん貴重な機会です。その奥行きのある世界は、決して現代においても色あせておらず、往年のファンはもちろんのこと、若い世代も魅了する展示になるでしょう。この機会に是非、青木画廊・風俗資料館ともに足をお運びいただき、秋吉巒の底知れぬ魅力を存分にご堪能いただきたく思います。 ★会期中の一週間は会員以外の方でもご来館いただけます。ちょっとだけ中を見てみたいという方も歓迎いたします。この機会に是非足をお運びください。ただし書架の前にずらりと作品が並びますので、展示されている本以外の閲覧はできません。
●青木画廊「秋吉巒・幻想とエロス」展 |
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