風俗資料館
    風俗資料館内特別展示
     所蔵原画セレクション 第三回
      粋古堂〜責の撮影会〜 密着写真展



    粋古堂〜責の撮影会〜密着写真展 粋古堂〜責の撮影会〜密着写真展
    粋古堂〜責の撮影会〜密着写真展 粋古堂〜責の撮影会〜密着写真展
    粋古堂〜責の撮影会〜密着写真展 粋古堂〜責の撮影会〜密着写真展


      2009年夏の風俗資料館内特別展示
       所蔵原画セレクション 第三回
      粋古堂〜責の撮影会〜密着写真展


      期 日 2009年7月6日(月)〜2009年8月29日(土)
      場 所 風俗資料館
           Tel:03-5261-9557/E-mail:pl-fs@kagoya.net
      別途入場料 不要


      ※本展示は風俗資料館の様々な閉架資料を順次会員に
      公開する館内展示です。よって、通常の方法で図書館に
      ご入館された方のみがご鑑賞いただけるものです。
      会員以外の方で鑑賞を希望される場合は「ビジター」、
      女性の方でしたら「夜の図書館」の時間をご利用ください。

    ■所蔵原画セレクション 第三回――
     2009年7月6日(月)〜8月29日(土)の二か月間、風俗資料館内にて初めての写真資料を公開いたします。これらは伊藤晴雨画伯の私家本を発行し続けたことでも知られる粋古堂(伊藤竹酔氏)の頒布写真の一部です。戦前から戦後間もなくにかけて、晴雨画伯を囲み「責の撮影会」が行われ、そこで撮られた写真は同好の者だけにひっそりと配布されていました。
     風俗資料館に残された粋古堂の写真の中には、どのような経緯でここまでたどり着いたのかわからないものも沢山あります。撮影者自らの寄贈と思われるものもありますが詳細は不明です。その中で、今回館内でご紹介する写真群は、唯一正確な道筋がわかる貴重なものです。展示中の120枚の写真は全て、1960年頃、『裏窓』時代の須磨利之氏(=喜多玲子・美濃村晃)が伊藤竹酔氏から直接ネガを譲り受け現像したものです(6センチ四方の密着焼きです)。当時、須磨氏とともに何度も粋古堂を訪れた『裏窓』二代目編集長である濡木痴夢男氏の手もとで現在まで大切に保管され、風俗資料館に寄贈されました。
     撮影場所には、愛好家の中の一人が所有する東京の下町にある別宅が使われました。四季折々に撮影会が催されたのでしょう。夏には熊笹の茂みの中で、冬には過酷な雪責めも行われています。しかし、これらの写真には肉体の限界に挑戦する曲芸的なポーズは一つもありません。縛めの形は極々シンプルです。言うなれば、手近にある縄をつかみ手早くぎりぎりと縛り上げたような烈しさの伝わる凄惨な縄。逃げられないために体を拘束し、折檻として苦悶を与える縄は、それだけで十分「責め」なのだと当り前のことに気づかされます。当時カメラは非常に高価なものだったはずです。夢中でシャッターを押しながらも「この一瞬」に込められた真剣な思いは如何ほどだったでしょうか。SMという言葉もない時代、モデルの女性の表情には恍惚や陶酔は見られません。そこには怖れや不安、抵抗、諦め、そんな「責められる女」の鬩ぎあう情感が息苦しいほどに凝縮しています。
     責めのムードに心魅かれてしまう者にとって、この小さな写真の数々は、自らの秘密の感性を育んできた記憶の底の懐かしい風景を思い出させてくれることと思います。無名の愛好家たちが残してくれた「責め」にかける凄まじい迫真力を是非じっくりとご鑑賞ください。

    粋古堂〜責の撮影会〜密着写真展 粋古堂〜責の撮影会〜密着写真展 粋古堂〜責の撮影会〜密着写真展 粋古堂〜責の撮影会〜密着写真展 粋古堂〜責の撮影会〜密着写真展 粋古堂〜責の撮影会〜密着写真展 粋古堂〜責の撮影会〜密着写真展
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    ■風俗資料館内特別展示とは――
     風俗資料館では書籍や映像作品のほかに、多くの作家達が描いた膨大な原画コレクションや貴重な写真資料(その他、自筆の書簡など、作家ゆかりの品々)を所蔵しています。普段は閉架書庫に収められ、会員も目にする機会の少ないこれら秘蔵資料を、二か月ごとにテーマを変えて順次館内で公開いたしております。
     期間中は、一つのテーマに沿ってセレクトされた様々な資料が、展示ウォールを中心にあらゆる場所に配置され、風俗資料館内を彩ります。展示は通常の図書館と併設しておこないます。ここでしか見ることのできない貴重な作品に囲まれて、ゆっくりと蔵書を閲覧する贅沢な時間をお楽しみください。


    ■ご入館について――
     風俗資料館内特別展示は別途入場料は必要ありません。ただし、本展示はこれまで数回開催いたしました「会員以外の方も入ることのできる展覧会」ではありません。正会員・準会員・研究者会員・ビジター・夜の図書館といった通常のご入館方法で来館された方のみが、蔵書の閲覧を楽しみつつ、ご鑑賞いただけるものです。会員以外で鑑賞を希望される方は「ビジター」や「夜の図書館」もどうぞ便利にご利用ください。閉架書庫の中で貴重な資料を死蔵させることなく、今の時代に一人静かに本と向き合い空想の世界に浸る時間を大切にされている皆様とともに、本物の作品に触れる喜びと感動を共有いたしたく思います。展示作品の当時を知る方も、初めて見るお若い方も、それぞれに心の奥底の記憶を呼び覚まし、新鮮な衝撃や感動、そして懐かしい安らぎを実感していただければと思います。


【戻 る】 風俗資料館 Tel:03-5261-9557/E-mail:pl-fs@kagoya.net
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