SMキング,鬼プロダクション,1973年10月号

    SMキング1973年10月号から1975年5月号まで連載された九十九十郎氏(千草忠夫氏の別ペンネーム)の『O嬢の物語』は厳密にいえば翻訳ではありません。
    初回(1973年10月号)冒頭には編集長(団鬼六氏)とのやりとりで、なぜ今「O嬢」なのか、そして自分達が送り出すことのできる「O嬢」とは如何なるものかという、創作にあたっての意図が語られます。
    ストーリーの枠組みは押えつつも、行間を読み、千草氏独自のいわば「九十九O嬢」を自由に作り上げたこの作品は、千草氏自身SM小説の最高傑作であると信じる『O嬢の物語』への敬意を込めた翻案であり、いわばポルノ版『O嬢の物語』です。
    挿絵は椋陽児氏が描かれています。