伝説の前衛芸術集団「ゼロ次元」の主催者であった加藤好弘氏の展覧会が銀座ヴァニラ画廊にて開催されます。 今回の展覧会では現代の東京に生きる女性のエロティックな夢物語を描く襖絵「ペニスをつけた女達」シリーズが、鏡面装置により新たな位相を奏でます。 彼女たちの夢の中では、社会に適応するために身に着けたキャリアがペニスとして表現されます。胸を張り堂々とキャリア(=ペニス)を誇示する女達の群れは、鏡面装置により作品の前に立つ者をもその夢物語の住人として取り込み、会場を埋め尽くします。そこには一種の曼荼羅が形成され、精神的実体空間の表現として、観る者を新たな異次元の世界へといざなうことでしょう。 加藤氏の作品の前では観客は傍観者のままでいることはできません。ふと垣間見てしまった異界の自分、呆気なく夢と現実の境界に触れてしまった自分・・・閉塞した現実から足を踏み出し、自らが立っていたはずの足元が崩れ去ってしまうかのような幻惑のカタルシスを味わってしまった者にとって、この作品を体験する過程は、否応なく自己の存在を問いかける場となることでしょう。 フェティッシュな欲望に侵食された私達の姿を、目を覆うような毒々しい極彩色で描かれたエロティックなパノラマの中に見せることにより、自己の存在をも問いかける今回の加藤氏の過激な試み。是非会場を訪れ、その目眩く体験に驚愕していただきたいと思います。
会場では、作品の展示とあわせ、1960年代日本の美術界を代表する前衛芸術集団「ゼロ次元」のパフォーマンスの記録上映も行われます。「人間の行為を無為(ゼロ)に導く」ことを標榜し各地で数百回にわたるエロ・グロ・ナンセンスな"儀式"を繰り広げた「ゼロ次元」。その過激な活動の記録を是非会場にてご覧ください。
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加藤好弘展 |
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