第二章 パンテモン修道院
[木立ちの中の鉄門]
定刻三十分前に伯父は来た。ルイーズに着せる洋服を用意してきたのだった。
「さあルイーズ、これに着替えるんだ。そして、きのう話したように良家の娘としてふるまうんだよ」
「あたしがこれを着るんですかまあステキ! なんて美しいドレスでしょう」
ルイーズはまるで子供のようによろこんで部屋の中を飛びまわった。しかし、フランソワは、一晩じゅう泣き明かしたような目をして顔色も青ざめていた。
三十分後に玄関に現われたルイーズはみんなを驚かせた。
「まあ、ルイーズ、あなた、とってもきれいよ。そのドレスもびったり合って、とてもすばらしいわ」
「そうですか、あたし、なんだか恥ずかしいわ。ほんとうにきれいなドレス……でも、一時間もしたら、またぬがなきゃならないなんて……」
「どうして? どうしてなの」
「だって、お……フランソワあそこではみんな制服ですもの、そうですわね……伯父様」
「ああそうだよ、みんな同じ制服を着るんだよ」
「そうなの……なんだかあたしまた悲しくなってきたわ」
「さあさあ、そんなに心配しないで馬車にお乗り」
やがて三人をのせた馬車は門を出た。
まだ早朝の風は肌に冷たく、外にはもやが立ちこめていた。そして、時々馬車ゃ自動車とすれちがう以外は、まだ通りもひっそりとしていた。小一時間も走ると、馬車は木立ちの多い道にはいって行き、その先の小さな森にかこまれた教会へと向かって行った。そして大きな鉄の門の前で止まると、そこで三人を降ろした。大門にはカギがかかっていたが、そのわきの小さなくぐり戸のところに、ひとりの尼憎が立っていた。
伯父がその人の前に行くと、尼僧は何も言わずにくぐり戸をあけた。三人が中にはいると、くぐり戸に錠をおろし、前に立って歩き出した。三人は無言でその後ろにしたがった。正面に向かって右のほうの小道を歩いていくと小さな入り口があり、その中は長イスが置いてあるだけの部屋だった。そこで尼僧は、はじめて口をきいた。
「ここでお待ちください、すぐに院長がまいります」
この部屋は修道院の者がほかの者と会う場所になっていた。とくに男はこの部屋より中にははいれないようになっていた。
十分ぐらい待たされると、やがて院長がひとりの若い尼憎と共にはいって来た。
「ゆうべお話ししたふたりの娘を連れてまいりました」
「よくいらっしゃいました。このかたたちですね。あなたがた、お年はいくつ?」
「十六歳です」とフランソワ。
「十八歳です、院長様」とルイーズ。
「そう、ちょっと大きすぎるようね。もう少し早く来ればよかったのにね。最初は初級クラスにはいりなさい。そこは十二歳と十三歳の生徒だけだから、一週間くらいしたら上の中級クラスに回しましょう。そこで様子をみてから、上級クラスに入れてあげますからね。たぶん一カ月ぐらいで上のクラスにはいれるでしょう」
「どうぞよろしくお願いします」
「さあ、それでは、あなたたちはこちらの先生といっしょに行きなさい。このかたはクリスティ副院長です。上級クラスの受け持ちの先生です。しばらくはほかの先生ですが、一カ月後には、こちらの先生のクラスになるんですから、今から知っておいたほうがいいでしょう」
「それでは、ルイーズとフランソワでしたね、わたしについていらっしゃい」
ふたりは副院長のあとについて奥へはいって行った。
[初めての平手軽打]
「院長先生、いかがなものでしょうか?」
「そうですね、ふたりとも年をとりすぎているようなので……少し心配ですね。お家ではどんなふうでしたの、フランソワは……」
「それがどうにも……わたしの妹の娘なんですが、いままで甘やかされてばかりいて、父親は冒険家で世界じゅう飛び回っているような男ですので、たまに帰って来てもかわいがるばっかりで、小言一つ言いません。そんな訳でして……」
「それでは体罰などは……」
「ええ、おそらく一度も……少なくとも十歳以上になってからは」
「それは困りましたね。あなたはご存知じだと思いますが、ここでは、まだかなり体罰が行なわれていましてね、十六歳くらいではじめてそれを受けると、ショックが大きいんですよ」
「それはわたしも考えましたが、けっきょく、あの娘のためなんですから。それに妹もやっと決心したことだし」
「そうですか。それではなんとかやってみましょう。ルイーズはどうですか? もしフランソワと同じようだと、ちよっとお引き受けしかねるんですがね……十八歳はもうおとなですもの」
「ルイーズのほうは心配ないと思います。わたしの友人の娘ですが、母親というのがとてもきびしくしていまして、家が遠いいのでゆうべはわたしの家に母親とふたりで泊まったのですが、その時も、ちょっとしたそそうをしてしまったので、さっそく母親に懲らしめられていましたから。それに、いなかのほうで、子供のころに修道院にいっていたとか言っておりましたから」
「そうですか、それならだいじょうぶです。一度でもそういう経験があると、だいぶ違うものですからね」
「では、これで失礼いたします」
「はい、たしかにお頂かりいたしました。もう一度念のために申し上げておきますが、一年間のお約束ですので、その間は、親、兄弟の死亡以外には、絶対に出しませんよ」
「はい、わかっております」
伯父を見送ると僧院長は、自分の部屋にはいって、ベルを鳴らした。
「クリスティ、あのふたりはどんなふうですか」
「はい、院長、さきほどふたりに制服を渡したんですが、ルイーズはさっさと着ているものを脱いで……もちろん下着も全部脱いで着替えたんですが、フランソワのほうがどうしても下ばきを取ろうとしないものですから、わたしが、ここの規則で生徒は、長肌着以外の下着を着てはいけないことになっているんだ、と説明してやったんです。そしてブリーフは、ひと月のうちであのときだけしか使用しないことも」
「で、どうしました」
「それで、もしやと思って聞いてみたんですが、別にメンスでもないようなので『早くしなさい、それでないと院長先生にしかられますよ』って言って軽く、ほんの軽くお尻をポンとたたいたら、それだけであの娘ったら目に涙をいっぱいためているんですよ。わたしあんな娘ははじめてです。そしてルイーズに慰められて、ようようドロワースをとり上げたんですから」
「そうですか、わかりました。あとでみんなで相談しましょう。先生がたを集めてください。それからあのふたりはきょうは授業に出さないようにしてください。ふたりともあいている部屋に入れておいてください。ふたりいっしょがいいでしょう」
「はい、院長、あのふたりを部屋につれていってから先生を集めてまいります」
ルイーズとフランソワは、クリスティについて自分たちの部屋にはいった。
「さあ、ここがきょうからあなたがたのお部屋ですよ。院長先生がきょうは授業に出なくともよいと言いましたから、お部屋のおそうじでもしていらっしやい、あとで見に来ます」
そう言って副院長が出て行くと、
「フランソワ、あんなことでおこったりしちゃだめですよ。とくに今の先生にきらわれたら、損ですよ。なんでも言うことをきかなくては」
「だってわたし恥ずかしかったんですもの。おまえのように、平気であんなことできないわ。これからだってそうよ。いやなことはいやだわ」
「そんなこと言っていいんですか、そんなに強情をはると、そのうちにイスにもすわれなくなりますよ」
「どうして? ねえ、どうして?」
「どうしてったって、お尻がミミズばれでいっぱいなら、立っているよりしかたがないでしょ」
「また、そんなこと言ってわたしをこわがらせたいの、でも、さっきあの先生わたしのことたたいたわ」
「たたいた? たたいたですって、あれはたださわっただけですよ」
「うそよ、おまえは見ていなかったのよ」
「おやおや、あれでたたかれたなんて言うようでは、先が思いやられるわ。でも、いずれわかるでしょ、あんなものじゃないってことが。さあ、お部屋のおそうじをしましょう。わたしひとりでやりますから、あなたはベッドにすわっていなさい。なまじっか手伝ってもらうより、ひとりでやったほうが早くできそうですから」
[ハミルトンの意見]
そのころ院長室では三人の尼僧を前に院長が話をしていた。
「……というわけで、フランソワのほうはまだぜんぜん教育を受けたことがないのです。家では体罰すらしなかったらしいのですよ。どうしたらいいでしょうかね、シスター・ハミルトン。何かよい考えはありませんか」
院長に指名された尼僧は、ハミルトンと言って、イギリスからとくにパンテモンが招いた尼僧で、小太りの背のひくいかわいらしい感じの年寄りだった。このユーモラスなおばあちゃんが、実は教育者として天才的な才能の持ち主で、とくに低学年の生徒を教育するのがうまかった。パンテモンでも初級のクラスを受け持っていて、その緩急自在の指導ぶりは高く評価されていた。
「そうですねえ、急にそういう生徒がはいって来ると、ほんとに困ってしまいます。昔、イギリスで、これと同じようなケースがありましてね。ところが、受け持ちの先生があまり最初からきびしくやりすぎて、とうとうその娘が自殺をしようとしましてね。さいわい命だけはとりとめたのですが、そんなことのないようにしないとね。そうですね、最初はわたしのところに来てもらいましょうか、そういう娘なら、初級クラスの授業は楽でしょうから。そうすれば自分で罰を受けずにすみますし、そのかわりほかの生徒が罰されるところを見ることができますから、なまけた娘がどんなふうにされるかよくわかるでしょうからね。そして、わたしのところでじゅうぶん見させておいて、マーブルさんのところにお渡しして、そこで……そうですね、しばらく様子を見てから、最初の罰を、できればひとりだけでなく、たとえばクラス全員が罰をもらう、そんなとき、いっしょに罰を受けさせるといいですね。そうしておいてから授業以外のことで何か口実を作って、自分たちの部屋で、院長先生にでも罰をもらえばよいでしよう。そうすればもう、クリスティ先生のところでは普通の生徒と同じにあつかってもだいじょうぶだと思いますけど」
「なるほど、それならばだいじょうぶだとわたしも思います。ではそれでよいですね、シスター・マーブルも、クリスティ副院長も、今のハミルトン尼僧の言ったとおりにしてください。多少のおちどがあっても見て見ないふり。いいですね」
「はい、承知いたしました」
「それではシスター・ハミルトン、あしたからお願いします。昼食は部屋で食べさせなさい。タ食の時みんなに紹介します。それから夕食の時、生徒が何かしでかしても、よほどのことがないかぎりきょうは大目に見てやってください。このことをほかのシスターにも伝えておくように、それからクリスティ、あなたはこれからあのふたりに僧院内での規則を教えてやってください」
[規則と時間割り]
院長の部屋を出るとクリスティはそのままふたりの部屋に向かった。各クラスにはふたりずつの助手がいるので、授業のほうは心配なかった。部屋にはいって行くと、何かこそこそ話をしていたふたりは驚いて立ち上がった。
「まあ、ずいぶんきれいにおそうじできたわね。しばらく使っていなかったので、ずいぶんホコリがたまっていたでしょ。でも、ほんとにきれいになったわ。さあ、ふたりとも、そこのイスにすわってちょうだい。ここの規則についてお話をしますからね。まず一日の時間割りからお話しましょうね。机の引き出しに紙とエンピツがはいってますから、それに書き取ってください。起床五時、五時十分から朝の礼拝約三十分、そのあと六時まではクラス別に先生がお話をします。六時朝食、六時半から七時までは一応自由行動で、授業のしたくをしてください。用便もこの時間にすませておくこと、それから、さっき言い忘れたのですけど、夜は下ばきを着用します。そして生理の始まった人は、この時間に各クラスの先生に申し出れば、ちゃんとしてもらえますから、いいですね。そうでない人はこの時間に下ばきは洗たくかごの中に入れておくように。七時授業開始、十一時まで授業ですが、これは各クラスごとに違うので、あとでくわしく聞いてください。十一時から一時間、お昼のお祈り、十二時から昼食。一時まで休み、一時からは午後の授業が始まります。五時まで授業、一時間休み、六時から七時までは声楽・器楽・絵画のいずれかの科目を受けます。フランソワはお家のほうで器楽をやるように言ってきていますから、それでいいですね。ルイーズはどうしますか? 音楽はお好き? 何かやってらしたんでしょ」
「いいえ、何も」
「そう? それでは絵画をやりなさい。へたでもかまいませんよ、いいですね」
「はい」
「では、フランソワは器楽、ルイーズは絵画……七時から夕食一時間、八時からお祈り約三十分、そのあと反省会などで九時入室、九時三十分消灯です。昼の休みと、五時から六時までの休み時間には、自由に入室してもかまいません。そのほかはたとえば病気で休む時でも院長の許可、院長のいない時はわたしの許可がいりますから。これで一とおりお話しました。あとのこまかい規則はだんだんに覚えてゆけばよろしい。何か質間は?」
「朝は誰かが起こしに来るの?」
「いいえ、でも鐘が鳴りますから、それで起きるのです」
「授業は四時間ぶっとおしですか?」
「いいえ、三十分ごとに五分間休みます」
「一週間ずっと同じですか?」
「ああ、それを忘れていましたね。土曜日はお休みですから、お庭で本を読んだり遊んでもいいんですよ。日曜日は朝からずっと礼拝堂です。食事の時間以外はずっと礼拝堂にいますから、お手洗いに行きたくなった人は、ほかの人のじゃまにならないように、静かに出てまた静かにはいって来るようにしましょう」
「先生……もし……もしも規則を守れなかったら、罰を受けるのですか?」
「そうです、その罪にふさわしい罰を受けなければならないでしょうね。それから、お勉強をなまけたりしても罰が加えられますよ。そのほかお行儀の悪い生徒にもね。あなたがた名家のお嬢様にふさわしいお作法を身につけなくてはいけませんからね」
「では……たたかれるのですか……」
「そうですね。必要ならばたたくでしょうね。なまけ者や無作法者にはいちばんよくきくお薬ですからね」
ふたりは黙って下を向いてしまった。
「ほかに質間はありませんか。では七時のタ食に皆さんに紹介しますから、それまでは部屋にいなさい」
ふたりきりになるとルイーズが、
「この時間割りを見て……お祈り、お祈り、お祈り、それに一日八時間も勉強、あ−あ、この年になってこんなことになろうとは、みんなフランソワのせいよ」
「わたし……そんなことは平気だけど、罰のことがこわくってこわくって……それに、朝五時になんて起きられそうにないわ。ねえ、どうしましょう」
「そのことなら平気よ、わたし起きられるわ」
「ほんと!」
「だって、わたし毎日五時に起きていたんですもの。お屋敷だって朝寝過ごせば、イライザがたたき起こしに来ますもの」
「そうだったの、それじゃわたしのこと起こしてね」
「ええ、いいですとも。それにしても、この最後の反省会っていうの、きにくわないですね。何も話してくれなかったけど、どうやらわたしの言ってた懲罰の時間と同じような気がするわ」
「エッ、ほんと、ほんとにそうかしら」
「まあ、あしたになればわかることですけどね、それに、今の先生の手、ご覧になったでしょ。顔に似合わず。ずいぶんごっつい手だったでしょ。もっとも右手だけだけど。あの手のひらのマメはどうしてでしょうね……」
「ルイーズ、あなたの言いたいことはわかるわ。でももう何も言わないでちょうだい、これ以上苦しめないで」
[アデールという少女]
夕食の時間になるとふたりは院長に付き添われて食堂にはいっていった。そこには、十五名の修道院の尼僧と、尼になるために修業している五名くらいの神学生、それに四十名くらいの一般生徒が席に着いていた。
院長の紹介がすむと、短いお祈りをしてから食事になった。話もせずにさっさと食べ、そして食べ終わった者は自分の食器を持って出て行った。フランソワとルイーズが食器を持って出て行こうとすると、院長が、
「あなたたちふたりは食器を下げたらそのまま部屋に行ってよろしい。あしたからは反省会にも出るのですよ」
ふたりは食器を置くと、そそくさと部屋にはいった。
「あ−あ、息がつまりそう。せっかくのごちそうもあんなふうにじゃ、ちっともおいしくないわ」
「ねえ……ルイーズ、やっぱり反省会のこと気になるわ、なんでわたしたちだけいいって言ったのかしら」
「だってきょうは何も材料がありませんもの」
「そうかしら?」
しばらくするとふたりの部屋をノックする音が聞こえた。ルイーズがあわててあけに行くとひとりの少女がするりと中にはいって来た、
「今晩は。わたし、アデールっていうの。何かわからないことがあればお手伝いするわ。どうぞ、なんでもおっしやってね」
「どうもありがとう、わたしたち心細くて……」
「じきになれるわ。わたし十七歳よ。もう二年間もここにいるの」
「二年間も……」
「そうよ、ママが死んでしまってからは、ずっとここに入れられてるの。パパったら、女の子は結婚する前にうんと笞でたたかれておかなければいけない、なんて言ってさ。なかなか出してくれないのよ」
「まあ、笞で……笞でたたかれるの」
「そうよ。まさかあなただって始終平手打ちばかりだなんて考えなかったでしょ」
「ああ、アデール、この人、お家ではあまりたたかれたこともないものだから……」
「それでそんなに驚いているのね、わたしなんか物心ついた時からずっと。ママが亡なるまでは家でママに平手打ちの味を教えられてここに来てからは、院長先生やクリスティ先生から、たっぷりと笞のごちそうをいただいたわ。もう笞の味はあきあきしたわ。おかげでわたしのお尻のなんとじょうぶなことよ。きょうの反省会での平手打ちくらいじゃびくともしないわ」
[反省会? 平手打ち?」
「そうよ、あなた、ここをどこだと思ってるの。パンテモンよ、修道院なのよ。ほかの女学校なんかと同じつもりでいたら大まちがいよ。」
クリスティ先生はたいへんやかましやさんなんだから」
「でも、わたしたち、初級クラスからやるんです」
「へえ−、そうなの、ハミルトンおばちゃんか。それならだいじょうぶだわ、きっと。でも、すぐに上に上がるでしょ。マーブルさんになったら気をつけなさい。でも、クリスティ先生ほどではないけど。あら、もうこんな時間なの、お部屋にいないとまたしかられちゃうから、それじゃあしたまたね」
アデールは、はいって来た時と同じようにするりと出ていった。
「わたしの言ったとおりのことになりそうですね」
「そうね、どうしたらいいの」
「もうここまできたら、あきらめるんですね。あしたは朝が早いから、やすみましょう。どこかに下ばきがきているはずですけど。ああ、ありました。ベッドのところにありますわ。さあ、言われたとおりにこれをはいて……まあなんてだぶだぶなんでしょ。それに、この生地、まるでYシャツの生地みたい」
フランソワもしかたなしに、ゴワゴワでだぶだぶのドロワースをはいてベッドにはいった。やがて重苦しい眠りがやってきた。
「あした……あしたから一年、ここにいなくてはならないのね……」