第17話 by 多香美じかん

なんとも滑稽な図であった。
25歳の娘が、46歳の母親の膝の上で、むき出しの尻
を叩かれお仕置きされているのだ。
しかも、娘にお仕置きしているその母親も、下半身丸出
しなのである。
宇田川と悟は楽しそうにそれを見物しながら、

「こらっ、もっと強く叩かないか!
手ぬるいぞ!もっとピシッと叩け!」

とか、

「そんなんじゃあ、
娘の生意気な性格は直らないぞ!
お尻の皮が剥けちゃうほど、
叩いて叩いて叩きぬけ!」

とか、
そんな野次を飛ばして、その哀れな母娘をからかうのだ
った。
静江は大粒の涙を流しながら、懸命に由梨子の尻を叩い
ている。由梨子の紅潮しきった屈辱的表情が、宇田川と
悟には痛快でならなかった。

ピシャリ! ピシャリ!

静江の白い手が由梨子のたくましい臀部の上で哀しく跳
ねている。
しばらくして宇田川が、

「黙ってお仕置きしてたんじゃあ、つまんないなァ。」

と言った。
それを受けて悟が、

「それもそうですね。」

と言って立ち上がり、由梨子と静江にどうすればいいか
説明しに行く。

「そ、そんな・・・」

悟が何やら静江の耳元で囁くと、静江はひきつった表情
になった。

「言われた通りにしないと、
どうなるかわかってますね、奥様。」

静江は顔を伏せ、さらに激しく泣きじゃくる。

「由梨子さんだけじゃなくて、
奥様にだって浣腸したっていいんですよ、僕等は。
どっちが長くウンチを我慢出来るか、
どっちがたくさんウンチするか、
母娘で競っていただく、
っていうのも悪くないですからね。」

悟がそう言って静江を脅すと、宇田川は効果的に浣腸器
を手にして見せ、いつでも浣腸出来るぞ、という事をアピ
ールするのだった。
静江は、宇田川の持つガラス製の浣腸器が蛍光灯に反射
して光ると、もう、生きた心地もなく完全に怯えきり、

「由、由梨子、
あなたはなんて性格の悪い娘なの!
お、お尻をぶってお仕置きしますから、
よく反省しなさいっ!」

と、悟に教えられた通りの科白を夢中で口走るのだった。

ピシャリ! ピシャリ! ピシャリ!

静江の美しい手が由梨子の尻肉に炸裂する。

「もっと力を入れろ!」

ピシャリッ!

「もっとだ!」

ピシッ!

「まだまだ!
手加減してやってると、
本当に母娘そろって浣腸の刑に処しますよ!」

「ああ、由梨子、許して。
こうしなければ私たち、殺されてしまうわ!」

静江は泣き喚きながら由梨子に詫び、叩く力を強めるの
だった。

「殺されてしまうとはオーバーですね、奥様。」

宇田川はプッと吹出してそう言った。

「浣腸されたくらいで死んだりしませんよ、人間は。
ただ、母娘そろって俺達の目の前で、ドバーッと
糞を垂れ流すだけです。
たいした事ではありませんよ。」

宇田川がそう続けてからかうと、静江は、

「いやーっ!」

と泣き叫ぶのだった。

ピシッ!

「ああっ!」

ピシッ!

「ひっ!」

ピシッ!

「痛いっ!」

静江の叩く手が強まったので、由梨子も悲鳴をあげ始めた。

「由梨子さんも黙ってお仕置き受けてちゃ駄目ですよ。
お母様に許しを乞わなきゃ。」

悟はそう言って、今度は由梨子の耳元で科白を指示する。

「いやっ、いやいやっ!」

狂ったように首を左右に振り、悟の命令から耳を反らそ
うとする由梨子。
悟は由梨子の後ろで束ねた栗色の髪をグイッとつかみ、
引っ張り上げて顔をあげさせる。

「いや、で済むと思ってるのか!」

と凄んで見せた。
あの、気の優しいアッシーくんからは想像出来ない態度
である。

「さァ、ちゃんと教えてやったように言え!」

「由梨子、お願いっ、悟くんの言うとおりにしてっ!
じゃないと、私たち、私たち・・・・・。」

浣腸されてしまうのよ、というその後の言葉は、恥かし
さと哀しさで口に出せない静江だった。
由梨子がついに口を開く。

「お、お母様、由梨子を許して!
も、もう生意気な事は言いませんっ!」

「よしよし、いいぞ、その調子だ!
その調子でどんどん続けろ!
それがお前達母娘の誠意だ。
ちゃんとお仕置き出来たら許してやるが、
誠意が感じられない場合は、
すぐに浣腸だからな!」

悟が静江と由梨子交互に次から次へと科白を教え、
宇田川が浣腸器を光らせる。
由梨子と静江は、浣腸の恐怖に慄きながら、悪魔に強制
されたそんな滑稽な行為を、泣き喚きながら死物狂いで
演じるのだった。

「反省しなさいっ、由梨子!」

ピシッ!

「ひっ!許、許してっ、お母様!」

「いいえ、許しません!
こんな悪い娘は徹底的にお仕置きです!」

ピシッ!ピシッ!ピシッ!

「ああっ、いやーっ!
いい娘になるから許してーっ!」

ピシッ!ピシッ!ピシッ!

「ひーっ!お母様っ!」」

悟と宇田川は美人母娘のお仕置きショーを見ながら、
傍若無人に笑い転げるのだった。

つづく

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