第21話 by 多香美じかん
静江は、鎖のつながった首輪をつけたまま、今度はビリ
ヤード台の上に乗せられた。
そこで今までのように、ちんちんやおしっこなどの犬の
ポーズをしろ、というのが宇田川の命令だった。
悟がカメラを持ち出してきて、犬になった白川静江の撮
影会が開始された。
静江は、写真だけは許してほしい、と必死で哀願したが、
聞き入れてもらえるはずもなく、由梨子を呼んでもいい
のか、と脅され、泣く泣くその恥かしい撮影会のモデル
をさせられている。
「こらっ、顔をあげないか!
この牝犬が、白川コーポレーションの社長夫人、
って事がわからなきゃあ、
この写真の意味が無いだろう!」
惨めさに耐えられず顔を伏せる静江だったが、宇田川は
それを許さなかった。
少しでも命令に逆らえば、鞭で力一杯尻を叩かれるし、
由梨子を呼ぶぞ、と脅される。
静江はもう、どんな恥かしい命令にも素直に従うしか道
はなかった。
ストロボが光る度、静江は声をあげてむせび泣いた。
よくこれだけの量が体の中にあるな、というくらい涙が
次から次へと流れ出てくる。
「娘の分までお仕置きされる覚悟で来たんだろ?
そんなにピーピー泣くなんて、
おかしいじゃないか?」
「あの大罪人の由梨子を許してもらうんだから、
生半可なお仕置きでは、私たちも譲れません。
犬にさせられたくらいで泣いてちゃあ、とても
最後まで持ちこたえられませんよ、奥様。」
宇田川や悟の皮肉めいた嘲笑の言葉で、屈辱の撮影会は
終了した。ビリヤードの台から降ろされ、首輪を外され
ると、静江は、グッタリと床にそのしなやかな肢体を沈
めた。
しかし、犬の散歩や撮影会は、宇田川や悟にとっては、
食事前に前菜をつまむようなものであった。
本格的なお仕置きはこれからなのである。
恥辱にまみれた犬の散歩と撮影会で、強烈に打ちのめさ
れた静江だったが、
「それじゃあ、
そろそろ、お仕置きを始めようか?」
という、宇田川の言葉に、改めてこの悪魔たちの恐ろし
さが自分の想像を絶するものである事を思い知ると同時
に、自分の神経が最後まで持ちこたえられるか、という
不安と恐怖が、胸を締付けるのだった。
しかし、娘を救う為だと心に言い聞かせ、悪魔なんかに
負けてたまるか、と自分を奮い立たせた。
そんな静江を宇田川と悟は抱いて起き上がらせると、両
腕を背中にまわさせ、ロープで縛り上げた。そして乳房
と腹部をテーブルに押し当て腰を曲げさせ、別のロープ
でグルグル巻きに縛りつけ、臀部を突き出した姿勢に固
定する。
過去2回のお仕置きの教訓で、生贄は縛りつけておかな
いと、羞恥と苦痛からから逃れようと体を揺さぶるから
である。
激しいスパンキングを何発も食らわせる場合は、やはり
このようにしっかり縛りつけておかなければならないの
だ。いくら、由梨子を呼ぶぞ、と脅しても、ただ四つん
這いにさせておいただけでは、いざという時に逃げ回る。
宇田川と悟は、しっかりとロープを引き締めた。
「どうです?奥様、気分は。」
静江は観念したように瞳を閉じて、この辛く苦しい時間
が一刻も早く過ぎるのを祈り、じっと耐えている。
「なんとか言ってみろっ!」
宇田川が怒鳴る。
「由、由梨子の事をお願します。
私は、私はどんなお仕置きでも受けます。
どうぞ、気の済むまで私を痛めつけて下さい。」
「へぇー、
随分と度胸が据わってきましたねェ、奥様。
それじゃあ、早速始めさせていただきますよ。」
宇田川がそう言うと、青竹を手にした悟が、
「白川由梨子の母、静江!
娘の躾を誤った罪により、
これより百叩きの刑に処すゥ!」
と、仰々しく声を張り上げた。
静江の豊臀に、悟の青竹が炸裂する。
ビシリッ!
「あぐっ!」
思わず体を仰け反らせようとするが、体に巻きついたロ
ープが肌に食い込み、苦痛が増すだけであった。
ビシリッ!
「ううっ!」
ビシリッ!
「ああっ!」
ビシリッ!
「あひっ!」
一打ち毎にもれる静江の苦しい悲鳴と、
身動き出来ない哀れな姿勢は、悟の欲情をさらに熱くさ
せる。
「私は豚です、って言え!」
悟の命令に、宇田川は思わず吹出す。
興奮しきった悟に、もはた気弱な青年お面影な無い。
静江にとっては、もう、宇田川と同格の恐ろしい悪魔以
外の何者でもなかった。
「聞こえないのかっ!」
ビシリッ!
「うぐっ!」
「さァ、私は豚です、って言え!
言うんだっ!」
ビシリッ!
「あわっ!
・・・・私、私は・・・・。」
「私は・・・じゃ、わからん!
はっきり、私は豚です、って言うんだ!」
ビシリッ!
「ひーっ!
私は、私は豚です。」
喉元にこみあげる熱いものを堪えて、そう言った途端、
静江は額をテーブルに押し当て、号泣してしまう。
しかし、悟は容赦しない。
「もっと言え!
俺が、よし、と言うまで、言い続けんだっ!」
ビシリッ!
「あうーっ!」
「どうしたぁ!」
ビシリッ!
「ああっ!
・・・・私は豚です。」
ビシリッ!
「ううっ!
私は豚です。」
「もっとデカい声で言えっ!」
ビシリッ!
「ひっ!
私、私は豚です!」
「もっとだーっ!」
ビシリッ!
「あわっ!
私は豚ですっ!」
「ブヒーッと鳴いてみろっ!」
ビシリッ!
「ううっ!」
「こらっ、牝豚っ!
鳴けと言ったら鳴けーっ!」
ビシリッ!
「あうっ!
ブ、ブヒーッ!」
宇田川はゲラゲラ笑いながら、
「犬の次は豚か。忙しいなァ、奥様も。」
と言って、静江をからかったが、宇田川の嘲笑を気にす
る余裕など今の静江にはなく、
ただ、一匹の豚として鳴き続けるだけであった。
「私は豚ですっ!ブヒーッ!」
ビシリッ!
「ああっ!ブヒーッ!」
ビシリッ!
「ひっ!ブ、ブヒーッ!」
ビシリッ! ビシリッ! ビシリッ!
「ひーっ!」
百発打ち終えると、悟は青竹を放り投げ、
「どうだ、ざまあみろ!」
と叫んだ。
静江の意識は朦朧としていたが、次の宇田川の言葉で
正気に戻る。
「さて、次は俺だ。」
宇田川が皮鞭をピュッと鳴らして、近づいてくる。
「ま、まだ続けるというのですか!?」
「当たり前だ!」
ピシリッ!
「ああーっ!」
青竹打ちではれ上がった静江の臀部に、
さらに鞭の雨が降る。
ピシリッ!
「ひーっ!」