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ともしび写真集・1『夕日の部屋』 ともしび:制作 風俗資料館:発行 ともしび同人=濡木痴夢男・早乙女宏美・山之内幸・中原るつ
追いつめられ、手首をつかまれ、無残にねじあげられて縄をかけられていく女の、怨みと悲哀にみちた被虐美を追求したこれは写真ストーリーです。 ひさしく忘れていた本物の縄情緒、呻きあえぐ縛られた女の、繊細にして濃密な表情と姿体は、鑑賞者の豊饒な妄想力によって、さらに妖しく美しく無限の官能世界へ誘い込むことでしょう。 はかない抵抗の中にむなしく自由を奪われていく人妻(早乙女宏美)の哀れにも凄艶な姿から滲み出す最高の被虐情緒と、囚われた女体が放つ官能の匂いに陶酔してください。(文=濡木痴夢男)
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物語は極めてシンプルです。登場人物は、高利貸しの男・田丸と、田丸から借金をしたまま行方をくらましている夫を待つ人妻・ヒロミ。田丸に金の返済を迫られ、夫の居場所を吐けと脅されたヒロミが、哀れにうつむき、口惜しい気持ちをこらえて頭を下げるイメージから物語は始まります。さみしげなアパートの一室は、何やら不穏な、緊迫した空気に包まれています。 そして私が見たかったスリリングな瞬間が訪れます。田丸は突然、旦那が戻ってくるまで待たせてもらうよ、ただ、あんたにまで逃げられては困るんだ、といきなりヒロミの片方の手首をつかみ、背後にねじあげます。と同時にとりだした縄を手首にかけるのです。ヒロミの驚きは如何ばかりでしょうか。でも愛する夫を盾に脅されているので、その場から逃げるわけにはいきません。激しく抵抗して男を刺激してもいけないと、硬い表情で不安を押し殺すヒロミ……ああかわいそう、どうなってしまうのだろう、見ていられない、けど見ていたい。私までドキドキしてしまう危機の瞬間です。 後ろ手に縛り上げられたヒロミは柱につながれてしまいます。プレイではない緊縛ですから、そこから何か鮮やかに縛り方の変化を見せることはありません。ただ動けない、もう逃げられない。完全に体を拘束されてしまった不安、みじめさ、体を締め上げる縄の苦しさ。ヒロミの苦悩と悶える様子を、じっくりとねばりつくように撮影していきました。 そして今回の撮影で圧巻だった猿轡シーン。田丸は一人で食料を買いに行く間、ヒロミが助けを呼ばないように猿轡をかませます。しっかりと詰め物をし、それを押えるように一枚咬ませ、その上から厳重に覆う猿轡です。ついに声まで封じられてしまう恐怖の表情。苦しげな呼吸と、声にならないくぐもった哀願の呻きが聞こえるようなヒロミの切ない表情は、見ているだけで胸が締めつけられるようでした。 そして家の中へ一人残されたヒロミは、田丸がいない間に、何とかして逃れようともがきます。気力をふりしぼって、あせり悶えるヒロミの姿。どうしても縄が解けないことを知ったときの落胆、絶望、あきらめ、悲哀……物語の中での必然の縛りは、そんなヒロミのせめぎあう心情をひしひしと感じさせ、想像を刺激して、自由に妄想を広げてくれるのです。 私達「ともしび」は、そんな一編の物語を背景に秘めた緊縛写真を泥臭く丁寧に本気で作りました。同人は濡木痴夢男、早乙女宏美、山之内幸、そして私の四人です。それぞれが全くの個人として参加し撮影に没頭した、これらの写真を小さな写真集にしました。第一作目「夕日の部屋」。風俗資料館でのみ、ひっそり頒布中です。 |
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