風俗資料館内特別展示 所蔵原画セレクション 第四回 小妻容子秘画帖〜豊艶の濫り〜 |
■所蔵原画セレクション 第四回――
もう四十年以上も昔、「奇譚クラブ」1965年9月号に、まだ二十代の青年だった小妻氏が一マニアとして初めて投稿した告白文が掲載されました。「黒いコートの記憶から」と題された記事に添えられた小さなカット。それはまさに、こぼれ落ちそうな肉を縄で激しく縛められた豊満女性の姿でした。自分自身のためだけに、ただ描きたい一心で描いた作品は、今なお私に強い感動を与えてくれます。「奇譚クラブ」後期の常連寄稿家であった小妻氏の描く豊満女性の恥じらいの姿は、誌上で異彩を放ちました。しかしその後、小妻氏が発表される膨大な責め絵から豊満女性の姿は影をひそめました。そして人知れず、小妻氏のアトリエの中だけで、小妻氏一人だけのために、大切に愛しむように描かれてきたのです。日本画家である小妻氏にとって「小妻容子」は裏の顔です。しかし、この豊満美女の緊縛画は小妻容子の名をもってさえ発表されなかった秘画中の秘画なのです。
■風俗資料館内特別展示とは―― 風俗資料館では書籍や映像作品のほかに、多くの作家達が描いた膨大な原画コレクションや貴重な写真資料(その他、自筆の書簡など、作家ゆかりの品々)を所蔵しています。普段は閉架書庫に収められ、会員も目にする機会の少ないこれら秘蔵資料を、二か月ごとにテーマを変えて順次館内で公開いたしております。 期間中は、一つのテーマに沿ってセレクトされた様々な資料が、展示ウォールを中心にあらゆる場所に配置され、風俗資料館内を彩ります。展示は通常の図書館と併設しておこないます。ここでしか見ることのできない貴重な作品に囲まれて、ゆっくりと蔵書を閲覧する贅沢な時間をお楽しみください。 ■ご入館について―― 風俗資料館内特別展示は別途入場料は必要ありません。ただし、本展示はこれまで数回開催いたしました「会員以外の方も入ることのできる展覧会」ではありません。正会員・準会員・研究者会員・ビジター・夜の図書館といった通常のご入館方法で来館された方のみが、蔵書の閲覧を楽しみつつ、ご鑑賞いただけるものです。会員以外で鑑賞を希望される方は「ビジター」や「夜の図書館」もどうぞ便利にご利用ください。閉架書庫の中で貴重な資料を死蔵させることなく、今の時代に一人静かに本と向き合い空想の世界に浸る時間を大切にされている皆様とともに、本物の作品に触れる喜びと感動を共有いたしたく思います。展示作品の当時を知る方も、初めて見るお若い方も、それぞれに心の奥底の記憶を呼び覚まし、新鮮な衝撃や感動、そして懐かしい安らぎを実感していただければと思います。 |
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風俗資料館 Tel:03-5261-9557/E-mail:pl-fs@kagoya.net 〒162-0824 東京都新宿区揚場町2−17川島第二ビル5F |
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