アルゼンチンとスイスの硝子スタジオを拠点に活躍中のカラマ氏の日本で初めての個展「O嬢の物語」が成山画廊にて開催されます。 ポーリーヌ・レアージュ(=ドミニク・オリー/本名アン・セシル・デクロ)が1954年に発表した「O嬢の物語」は、作中ただ一文字「O(オー)」と呼ばれる女性が、性の奴隷として鍛えあげられる背徳の日々の中で、華々しく成長していく物語です。限りなく淫靡でありながら、気高く、力強く、魂の昇華を描くこの作品は今も多くの人を魅きつけてやみません。 押し寄せる暴虐の中で彼女は羞恥をかなぐり捨て、貞淑な仮面をはぎ取り、愛することの恐怖から自らを解放していきます。そこには、服従し屈服する客体であるだけでなく、自らの魂の遍歴を探求する主体でもある、威厳をもったOの姿が描かれます。 そんなOの成長過程をモチーフとしたカラマ氏の作品は、使用する硝子という物質とあいまって、あやういもろさを内包しつつも、同時に高まりあう力強さを秘めた、エロティシズムの結晶ともいえる作品です。 成山画廊という夢のような空間に並ぶガラスのO嬢たち。その作品は「O嬢の物語」を愛する全ての方々の心に触れる作品であると確信しております。ぜひ会場に足をお運びいただき、作品の中に封じ込められたOの魂を直に感じていただきたいと思います。
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CaLaMa Histoire d'O |
出品作品は、地中奥深くに眠っていたものを掘り起こした様な風合いを表すことができる技法、パート・ド・ベール法によるガラスのレリーフをスタンドライトに仕立てた作品六点となります。 |
風俗資料館では、数々の「O嬢の物語」を所蔵しております。「O嬢の物語」といえば澁澤龍彦氏の名訳が有名ですが、今回は現在書店で入手困難な作品をいくつかご紹介いたします。
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